看護インシデントとは?
看護の現場では、毎日たくさんの患者さんと向き合いながら、多くの業務をこなしていますよね。忙しい中でも、患者さんの安全を守るために細心の注意を払っていますが、それでも時にはインシデントが発生してしまうことがあります\(^o^)/
そういった事例から学ぶことで、同じミスを繰り返さないようにすることができるんです。
具体的な看護インシデント事例
薬剤投与ミス
インシデントレポート
- 日付: 2023年5月10日
- 場所: 病棟A
- 患者: 田中太郎さん(仮名)、68歳、男性、入院中
- インシデントの概要: 田中さんに誤った薬剤が投与された。
- 詳細な経過:
- 午前10時、看護師Aが田中さんに投与する薬剤を準備していた際、処方箋を確認せず、隣の患者に投与予定の薬剤と混同してしまった。
- 午前10時15分、看護師Aが田中さんに誤った薬剤(降圧剤)を投与。
- 午前11時、田中さんがめまいと吐き気を訴え、看護師Bが状況を確認。
- 午前11時15分、医師Cが田中さんを診察し、誤投薬が判明。
- 原因:
- 処方箋の確認ミス
- 薬剤のパッケージが似ていた
- 看護師Aが前日の夜勤明けで疲労していた
- 対応策:
- 全看護師に対してダブルチェックの徹底を指導
- 薬剤識別システムの導入を検討
- スタッフの休憩と勤務シフトの見直し
転倒事故
インシデントレポート
- 日付: 2023年6月15日
- 場所: 病棟B
- 患者: 鈴木花子さん(仮名)、82歳、女性、入院中
- インシデントの概要: 鈴木さんがベッドから転落し、左腕を骨折した。
- 詳細な経過:
- 午後3時、鈴木さんがトイレに行こうとしてベッドから起き上がろうとしたが、ベッド柵が正しく設置されていなかったため、バランスを崩して床に転倒。
- 午後3時10分、見回り中の看護師Cが鈴木さんの転倒を発見し、すぐに医師Dを呼ぶ。
- 午後3時30分、鈴木さんはレントゲン検査を受け、左腕の骨折が確認される。
- 原因:
- ベッド柵の設定ミス
- 鈴木さんの転倒リスクの過小評価
- スタッフの見守り不足
- 対応策:
- 転倒リスクの高い患者に対する見守りを強化
- ベッド柵の使用方法を再確認
- 定期的な見回りと患者の状況確認を実施
インシデントの原因と対策
インシデント事例を見てみると、いくつかの共通する原因が浮かび上がってきます。
- 確認不足: ダブルチェックの重要性
- コミュニケーション不足: チーム内の情報共有の徹底
- 疲労: スタッフの働きやすい環境作り
これらの原因をしっかり分析し、予防策を考えていきましょう。
実践するための具体的なステップ
- 定期的な研修
- 内容: インシデント事例の分析、最新の看護技術、安全対策のアップデート
- 方法: 毎月一回、全スタッフを対象にした研修を実施。外部講師を招くことも検討。
- 目的: 知識の更新と意識の共有、具体的な対策の確認。
- チェックリストの活用
- 内容: 投薬時や患者移動時のチェックリストを作成し、確認漏れを防ぐ。
- 方法: チェックリストを電子カルテに組み込み、各ステップで確認する。
- 目的: 業務の標準化とミスの予防。
- フィードバックの促進
- 内容: インシデント発生後の振り返りミーティングを実施。
- 方法: インシデント報告書の作成と共有、問題点と改善策のディスカッション。
- 目的: 学びの共有と改善の実施、チーム全体の意識向上。
- スタッフの健康管理
- 内容: 十分な休憩と勤務シフトの調整、疲労軽減のための環境整備。
- 方法: 労働時間の見直し、休憩室の整備、ストレスチェックの実施。
- 目的: スタッフの健康維持とパフォーマンス向上。
- 患者とのコミュニケーション強化
- 内容: 患者さんとの対話を増やし、リスクを事前に察知。
- 方法: 毎日のラウンド時に、患者さんの状態や要望を確認。
- 目的: 患者さんの不安を軽減し、信頼関係を築く。
安全な看護を実現するために
安全な看護を提供するためには、常に学び続けることが大切です。実際のインシデント事例から学ぶことで、同じミスを防ぐための具体的な知識を得ることができます。