病棟や救急で働いていると、出血している患者さんに対して「カルシウムを投与して」と指示されることがあります。
でも、新人ナースの頃は「カルシウムって骨に良いんじゃないの?」「なんで出血と関係あるの?」と疑問に思いますよね。
この記事では、出血時にカルシウムを投与する理由をわかりやすく解説します。
カルシウムは血を固めるスイッチ
カルシウムは血液を固める仕組み(凝固カスケード)に欠かせないミネラルです。
凝固因子はカルシウムがあることで働き、血を固めて出血を止めます。
👉 カルシウムが不足すると、血が固まらず出血が止まりにくくなってしまいます。
輸血でカルシウムが減ってしまう
輸血に使う保存血液には「クエン酸」という抗凝固剤が入っています。
このクエン酸はカルシウムと結合してしまうため、大量輸血をすると血液中のカルシウムが減少します。
カルシウム不足が起きると…
- 出血が止まりにくい
- 血圧が下がる
- 不整脈が出やすい
などのリスクが高まります。
心臓と血圧の安定にもカルシウムが必要
カルシウムは血液凝固だけでなく、心臓の収縮や血管の働きにも必要です。
不足すると、心臓の働きが弱まり血圧が下がりやすくなります。
👉 出血時にカルシウムを補うことは、「止血」と「循環の安定」の両方に役立ちます。
新人看護師が覚えておきたいポイント
- カルシウムは血を固めるために必要
- 大量輸血で失われるため補給が必要
- 心臓と血圧を守るためにも重要
投与の意味を理解しておくと、患者さんの出血量・輸血量・バイタル変化を観察するときに視点が広がります。
まとめ
出血時にカルシウムを投与する理由は以下の3つです。
- 血液凝固を助けて止血を促すため
- 輸血で減ったカルシウムを補うため
- 心臓と血圧を安定させるため
「カルシウム=骨」だけではなく、「カルシウム=止血と循環を守るミネラル」と覚えておくと、日々の看護がもっと理解しやすくなります。
💡 新人ナースへのワンポイント
カルシウム投与の場面では、ただ投与するのではなく「なぜ必要なのか」を意識しましょう。理解が深まると観察力もアップしますよ!