「輸血の準備をお願いします」と言われて焦ったことはありませんか?
輸血は多くの病棟や救急で行われる重要な医療行為で、新人看護師さんにとって必ず覚えておきたい業務の一つです。
今回は、輸血の基礎知識と看護のポイントをわかりやすく解説します。
輸血とは?
輸血とは、患者さんに血液や血液製剤を投与することです。
主な目的は以下の通りです。
- 出血による血液量の補充
- 酸素を運ぶ力(ヘモグロビン)の改善
- 出血傾向の改善(止血補助)
- 凝固因子の補充
輸血の種類
輸血にはいくつか種類があります。新人ナースがまず覚えておくべきはこの3つです。
- 赤血球製剤(RBC):酸素を運ぶヘモグロビンを補う
- 血小板製剤(PC):止血に必要な血小板を補う
- 新鮮凍結血漿(FFP):凝固因子を補充する
👉 どの製剤が使われているのかを理解しておくと、患者さんの状態と結びつけて学びやすくなります。
輸血の流れ(基本ステップ)
輸血は安全管理が最優先です。おおまかな流れを押さえておきましょう。
- 医師の輸血指示を確認(製剤の種類・量・スピード)
- 製剤の準備と保管(適正温度・使用期限を確認)
- ダブルチェック(患者確認・製剤確認は必須!)
- 輸血開始(最初の15分は特に注意深く観察)
- 観察と記録(バイタル・症状・投与スピード)
- 終了と後処理(残量確認・廃棄ルール遵守)
輸血時の観察ポイント
輸血開始後、特に最初の15分間は副作用が出やすい時間帯です。
このときの観察が新人ナースの大きな役割です。
- バイタルサイン(血圧・脈拍・体温・SpO₂)
- 発疹・かゆみ・悪寒・発熱の有無
- 呼吸状態(呼吸苦・喘鳴)
- 血圧低下やショック症状
輸血の副作用(よくあるもの)
輸血にはリスクもあります。代表的な副作用を知っておきましょう。
- アレルギー反応(発疹・かゆみ・じんましん)
- 発熱反応(悪寒・発熱)
- 溶血反応(最も危険!誤った血液型投与で発生)
- 循環過負荷(TACO)(高齢者や心疾患のある患者で注意)
👉 異常を感じたらすぐに輸血を中止し、医師へ報告することが大切です。
新人看護師へのアドバイス
- 「なぜこの製剤が必要か」を理解すること
- ダブルチェックは絶対に省略しないこと
- 少しでもおかしいと思ったら中止・報告!
輸血は「準備と観察」が看護師の大事な役割です。
まとめ
輸血の基礎をまとめると…
- 輸血の目的は「血液量補充」「酸素運搬改善」「止血補助」
- 種類は「赤血球・血小板・新鮮凍結血漿」が基本
- 流れは「指示確認 → 製剤準備 → ダブルチェック → 輸血開始 → 観察 → 終了処理」
- 副作用は「アレルギー・発熱・溶血・循環過負荷」に注意
輸血はリスクのある医療行為ですが、正しい知識と観察力があれば安全に行えるケアです。
新人看護師さんは「流れ」「観察ポイント」「副作用」をしっかり押さえて実践に活かしましょう!