輸血を行うとき、看護師の大切な役割の一つが 観察と記録 です。
「どのタイミングで何を記録すればいいの?」「先輩に見せるときに不十分って言われないかな?」と悩む新人ナースも多いですよね。
この記事では、輸血時の観察記録の基本と書き方のポイントをわかりやすく解説します。
輸血時の観察の基本
輸血は副作用が起こるリスクがあるため、患者さんをしっかり観察することが大切です。特に 輸血開始後15分以内 は副作用が出やすいため、重点的に観察します。
観察項目は大きく分けて以下の3つです。
- バイタルサイン(血圧・脈拍・体温・SpO₂など)
- 症状の有無(発疹、悪寒、呼吸苦、血圧低下など)
- 患者の訴え(「寒気がする」「気分が悪い」など)
輸血時の記録に含めるべき内容
1. 開始時の記録
- 輸血開始時刻
- 製剤名・単位数・投与経路
- 開始直前のバイタルサイン
2. 開始15分以内
- バイタルサイン(必ず再測定!)
- 副作用の有無(皮膚・呼吸・意識の観察)
- 患者の訴え
3. 輸血中
- 定期的なバイタル測定(30分〜1時間ごとが目安)
- 投与速度の確認
- 症状や訴えの有無
4. 終了時
- 輸血終了時刻
- 輸血量(残量の有無も含める)
- 終了時バイタル
- 患者の状態
実際の記録例(イメージ)
10:00 輸血開始。赤血球濃厚液2単位。開始前BP120/70mmHg、HR78bpm、SpO₂98%、T37.0℃。
10:15 バイタル BP118/72、HR80、SpO₂98%、T37.2℃。皮疹・悪寒なし。自覚症状なし。輸血継続。
11:00 バイタル BP116/70、HR82、SpO₂97%、T37.1℃。変化なし。
12:30 輸血終了。残量なし。終了時BP118/72、HR80、SpO₂98%、T37.1℃。異常所見なし。
新人看護師が気をつけたいこと
- 「異常なし」ではなく具体的に書く
→ 「皮疹なし」「呼吸苦なし」など、観察項目を明確に。 - 患者の言葉も記録する
→ 「寒気はない」「少し気分が良くなった」など直接の言葉は信頼性が高い。 - タイムラインを意識する
→ 「いつ」「どんな状態だったか」が伝わるように記録。
まとめ
輸血時の観察記録は、
- 開始前・開始直後・輸血中・終了後 の4段階で行う
- バイタル・症状・患者の訴え を必ず含める
- 具体的に簡潔に書くことが大切
新人ナースのうちは「書きすぎかな?」と思うくらい丁寧に記録すると安心です。慣れてきたら必要なポイントをおさえつつ、スムーズに書けるようになりますよ。