輸血は患者さんの命を救う大切な治療ですが、副作用(輸血副反応)が起きることがあります。
新人看護師にとっては「どんな症状に注意したらいいの?」「副作用が出たらどう対応すればいいの?」と不安になりますよね。
この記事では、輸血副作用の種類と看護師が行う観察・対応のポイントをわかりやすく解説します。
輸血副作用とは?
輸血副作用とは、血液製剤を投与した際に起こる望ましくない反応のことです。
軽度のものから命に関わるものまで幅広く存在するため、早期発見が非常に大切です。
よくある輸血副作用の種類
1. アレルギー反応
- 症状:発疹、かゆみ、じんましん、発赤
- ポイント:比較的よく見られる。軽度なら抗ヒスタミン薬投与で改善。
2. 発熱反応(FNHTR)
- 症状:発熱、悪寒、戦慄
- ポイント:細胞成分やサイトカインが原因。輸血中止と医師へ報告、解熱剤で対応。
3. 溶血反応(ABO不適合など)
- 症状:腰痛、胸痛、呼吸苦、血圧低下、赤褐色尿
- ポイント:最も危険!誤認による血液型不一致で発生。即時中止・医師報告。
4. 循環過負荷
- 症状:呼吸困難、SpO₂低下、血圧上昇、頸静脈怒張
- ポイント:高齢者や心疾患のある患者で注意。輸血速度の調整が重要。
5. 急性肺障害(TRALI)
- 症状:急な呼吸困難、低酸素血症、肺水腫
- ポイント:稀だが重篤。集中治療が必要。
観察のポイント(新人ナース必見)
- 最初の15分間を特に注意
→ 副作用は開始直後に多い - バイタルサイン:血圧、体温、脈拍、SpO₂
- 症状の観察:発疹、悪寒、発熱、呼吸苦、意識変化
- 患者さんの訴えを聞き逃さない:「寒気がする」「気分が悪い」など
副作用が起きたときの対応
- 輸血を直ちに中止
- ルートは確保したまま
- 医師に報告
- バイタル測定・観察を継続
- 製剤・チューブを保管(原因追及のため)
まとめ
輸血副作用は「知っていれば早く気づける」ものです。
新人看護師が覚えておくべきポイントは以下の通りです。
- よくある副作用は「アレルギー」「発熱」「溶血」「循環過負荷」
- 最初の15分が最重要観察ポイント
- 異常を感じたら「輸血中止 → 医師報告」が基本
安全な輸血管理のために、日々の観察力を磨いていきましょう。