こんにちは!看護師の皆さん、日々の業務お疲れさまです。私たちが患者さんに接する際に大切にしている倫理原則について、今回はちょっとお話ししようと思います。ビーチャム & チルドレスの4原則と清水の3原則を中心に、看護ケアの中で実践できることを一緒に考えてみましょう。
看護ケアの基本的な倫理原則
ビーチャム & チルドレスの4原則
- 自律尊重 (Respect for autonomy): 患者さんの意思や選択を尊重することがとっても大切です。患者さん自身の価値観や決定を大切にする姿勢を持ちましょう。
- 与益 (Beneficence): 患者さんにとって良いことをすることです。患者さんの健康と福祉を最優先に考えて行動します。
- 無危害 (Non-maleficence): 患者さんに害を与えないことです。治療やケアの中で、患者さんに余計なリスクや苦痛を与えないように気をつけます。
- 正義 (Justice): 資源の公正な配分です。全ての患者さんに公平に医療資源を提供し、差別や不公平がないようにします。
清水の3原則
- 人間尊重: 患者さんの人格と自律を尊重します。患者さんの全体像を理解し、それぞれの価値観や歴史を尊重することが求められます。
- 与益: 患者さんにとって最善の利益を追求します。
- 社会的適切さ: 社会全体としても適切なケアを提供することです。
自律尊重:患者さんの意思を大切に
自律尊重とは、患者さんの意思を尊重し、その感情や状況に対して敏感であることを意味します。例えば、理性的な選択が難しい患者さんに対しても、その気持ちや意思を全身で受け止め、尊重する姿勢が重要です。
あるホスピスの事例では、「ここでは医療者がそう感じたときだけではなく、いつも私を人間として遇してくれる」と患者さんが語っています。これは、医療者が患者さんを一人の人間として尊重し、誠実に対応していることを示しています。
人間尊重:一人ひとりの患者さんを大切に
患者さん一人ひとりは、固有の名前、歴史、価値観を持つかけがえのない存在です。その人の人生はその人しか生きられない特別なものであり、看護師はその一度きりの人生を尊重しなければなりません。
看護師の役割と与益の原則の実践
看護師は、患者さんの自律や自己決定を尊重しながら、患者さんの揺れ動く感情や思いを受け止め、寄り添うことが求められます。これにより、患者さんを「人間として遇する」ことができ、看護師はそのキーパーソンとして重要な役割を果たします。
与益の原則に基づき、看護師は患者さんに害を与えず、その人にとって最善の判断をすることが求められます。これには、生物学的な側面だけでなく、患者さんの生活全体を視野に入れた判断が必要です。
社会的視点での適切なケアの提供
医療は社会化されたケアであり、ケア提供者は公平に対応することが求められます。たとえば、無益と思われる高価な治療に対する対応など、社会的な視点からも適切であることが重要です。
看護師として倫理的にふるまうために
看護師は、患者さんをかけがえのない存在として尊重し、患者さんやそのご家族と一緒に最善の治療・ケアを考え、合意するプロセスを経ることが重要です。そして、その決定が社会的にも適切であることが求められます。これこそが、すべての医療・ケアを行う看護師の姿勢であり、倫理的にふるまうための基本です。
まとめ
看護や医療において、倫理原則は非常に重要なガイドラインとなります。患者さん一人ひとりを尊重し、その人生に寄り添いながら最善のケアを提供することが、看護師としての使命です。これからも、患者さんにとって最善の医療を提供するために、日々の実践において倫理原則を大切にしていきましょう。
この記事では、看護ケアにおける倫理原則を詳しく解説し、患者さんを尊重したケアの大切さを強調しました。ビーチャム & チルドレスの4原則、清水の3原則を理解し、日常の看護実践に活かすことで、患者さんにとって最善の医療を提供することができます。
お読みいただきありがとうございました。これからも一緒に、より良い看護ケアを目指して頑張りましょう!