肺塞栓症の症状と早期対応方法:原因から看護まで理解する

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かんご
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A子ちゃん
A子ちゃん

肺塞栓?みたことない。
息ができない病気?
なんで循環器内科がみてるの?

今回はこんなお悩みを解決する記事になります。 
本記事では、肺塞栓とはなんなのか、その原因や看護について解説していきます。 

「勉強すると頭が痛くなってくる、眠くなってくる。」と言う人もいると思いますので(毎回毎回書いていますが、それは私です←)任せてください!アホ私でも理解できたので、私が理解できた内容で説明していきます。 

最重要ポイントは、
肺塞栓は心不全を起こして、酸素交換もできない病気でどんどん症状が進行していくということです。具体的なことに関しては今からさっそく見ていきましょう。!

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肺塞栓症の典型的な症状:早期発見のカギを握る重要なサイン

まず、肺塞栓の原因について解説していきます。

肺塞栓って息ができなくなるイメージ…

そうですよね。疾患名に「肺」が付くくらいですし、いかにも息が苦しくなりそうですよね。

しかし!!!

原因は心臓なんです。

なぜかというと

肺塞栓(PE)の原因は心臓?

肺塞栓になるためには、身体の何処かで血栓ができることが原因になります。まだ血栓ができるだけではなんともなんですが、その血栓が肺動脈に詰まると肺塞栓になります。

A子ちゃん
A子ちゃん

どこに血栓ができることが多いの?

急性肺塞栓症の原因として最も多いのは下肢、骨盤腔内の深部静脈に生じた血栓(深部静脈血栓症、DVT)です。

血栓が身体から右房を通過して右室そこから肺動脈に抜けて肺でフィルターされて詰まるわけですね。
血栓が詰まる場所で、重症度が違います。

Massive PE、Submassive PEとは?

A子ちゃん
A子ちゃん

やっぱり肺のいろんな部分に行く前の肺動脈に詰まるのが一番良くないの?

その通り!!

肺動脈がどん詰まりの状態になって急性肺塞栓症になることをMassive PEというよ!

Massive PEほどではないけど、いつドン詰まってもおかしくない状態のことをSubmassive PEというよ。

Massive PE、Submassive PEのどちらも、ICUに入室するから患者の状態には注意が必要ですね。

肺塞栓の病態 症状

肺塞栓の病態について説明していきます。

今回は重症なMassive PE(どん詰まり)について説明します。

肺塞栓は急性右心不全になる!?

A子ちゃん
A子ちゃん

肺塞栓でなんで急性右心不全になるの?

さっきもいった通り身体の何処かで血栓ができて、肺動脈に詰まります。そうすると、肺動脈に血液を送り出そうとするけど右室は血液を送り出せないので、どんどん負担がかかってしまいます。

A子ちゃん
A子ちゃん

血液の大渋滞がおこって心臓がパンクしそうなイメージだね!

そうなんです!
身体はそれでも血液を送りだそうと頑張るので必要以上の心臓を収縮させる力がいります。

少しは休めばいいのにね。って心臓が休むとかできないわ←

そうすると右心不全の状態になります。しかもなにかの原因で徐々に心臓が弱って心不全になるわけじゃなくて、急に血栓が詰まって心負荷が高まるので急性右心不全の状態になります。

肺塞栓は急性左心不全も合併する!?

A子ちゃん
A子ちゃん

えええ?!さっき右心不全にもなったので、今後は左心不全???

超ヤバいじゃん…

右心負荷が高まり、右室がぱんぱんになってくるということは、右室の隣には左室があります。左室から見るとお隣さんがぱんぱんになってくると、左室自体を圧迫してくるということになります。そうすると、左室が血液を補充できる量が低下してくることが考えられます。

そうすると、左室は身体全体に血液を拍出する役割なので、左室容量の低下は心拍出量の低下、血圧低下に繋がります。

A子ちゃん
A子ちゃん

血圧も低下するのか

さらに、肺動脈が詰まることによって左房に入ってくる血液の量が低下します。前負荷(左房に入ってくる血液量)の低下は心拍出量の低下、血圧低下をきたします。

ですので、もっとさらに!血圧が下がっていくということになります。

プラス豆知識 〜 血圧=心拍出量×血管抵抗 スターリングの曲線 〜

血圧=心拍出量×血管抵抗で表すことができるよ!

さらに心拍出量は「前負荷」「後負荷」「心拍出力」で表されるよ。

今回肺塞栓になって、前負荷が激減して、血圧が落ちているということがこの式からも理解できるね!

前負荷と心拍出力はスターリングの曲線という曲線で表すことができるよ。

簡単に説明すると、心臓に帰ってくる血液(前負荷)が減ってしまうと、心臓の血液を送り出す力(心拍出力)が減ってしまうといったことがわかるんだ。逆にいうと筋肉は引っ張られるとゴムみたいに良く縮むってことを証明したんだね。

だから今回は前負荷が下がったせいで、心拍出力も低下しているっていうことがいえるね。

だから心拍出量を示す3つの要素の前負荷心拍出力が下がってるから血圧低下がかなり進んでしまっていることが考えられるんだよ。

肺塞栓は虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)も合併する!?

A子ちゃん
A子ちゃん

そ、そんな…

これ以上は耐えられないよ\(^o^)/

肺塞栓と虚血は関係ないように見えますよね。血栓がつまる所も違うし、何がなんやらわかりません。

なんでそんなことが起こってしまうかということを説明していきます。冠動脈への血流は拡張期血圧(いわゆる下の血圧)に依存すると言われています。ですので、血圧低下がどんどん進んでいて収縮期、拡張期血圧が低下している状態です。ということは、血流が減っているということは内呼吸ができていない状態であるということです。

そもそも肺動脈が詰まっているため、肺でのガス交換ができていないので更に心筋への酸素供給が現象してしまうということが考えられます。

よって、心機能は更に低下していくことが考えられます。

肺塞栓の治療のポイントは3つだけ!

A子ちゃん
A子ちゃん

こんなに大変なことになっているのに3つしかないの?!

3つしかないことはないけと、とりあえずこの3つを押さえたほうがいいよってことを説明するね。

1.呼吸

2.循環

3.血栓溶解療法

肺塞栓症の呼吸管理

呼吸に関しては、まず肺塞栓で必ず言えることは「肺塞栓は必ず低酸素症になる!」ということです。

A子ちゃん
A子ちゃん

そんな、海賊王に…的に言われても…笑

肺塞栓は低酸素になるんです。低酸素に対しては酸素投与を行いましょう。

A子ちゃん
A子ちゃん

簡単!言われなくても知ってるよ!

迅速な酸素投与を行っても低酸素なときはどうしたらいいでしょうか。気管挿管して人工呼吸器管理を行ってもいいんでしょうか。

A子ちゃん
A子ちゃん

どういうこと?なんでだめなの?

肺塞栓で人工呼吸器管理が危ない理由は2つある!

その1!

人工呼吸器管理を行うと自然の呼吸と違って胸腔内圧が陽圧になります。いわゆる陽圧換気の状態です。

陽圧換気を行うと、縦隔を圧迫して中心静脈を圧迫して静脈還流が低下します。静脈還流が悪くなるとどういったことが起きてしまうかというと、心臓に帰ってくる血液が減少してしまいます。呼吸器管理が必要なくらい重症な肺塞栓症の場合、血圧低下が出現している可能性が高いため、さらに血圧が低下するおそれがあります。

その2!!

人工呼吸器管理を行い、肺胞を広げると肺血管を圧迫してしまい、肺血管抵抗を上げてしまいます。肺塞栓は肺動脈に血栓が詰まり、右心に負荷がかかっている状態です。肺血管抵抗が上がってしまうと、さらに右心に負荷がかかってしまいます。急性右心不全の悪化が考えられます。

肺塞栓での人工呼吸器管理

A子ちゃん
A子ちゃん

そんなこと言われてもどうしたらいいの?

肺塞栓のときの人工呼吸器管理のポイントは肺の過膨張を避けることです。

低酸素のときにはPEEPを上げる設定にしがちですが、肺塞栓の場合はとにかく肺の過膨張が循環動態を悪化させてしまうため、過剰なPEEP避け、過剰な一回換気量避けることを念頭に置くことが大切です。

気管挿管を行って人工呼吸器に移行したタイミング、気管挿管のためにバックバルブマスクで換気をしたタイミングで患者の急変のリスクが上がるので注意してモニタリングして、急変の準備を行って置きましょう。

肺塞栓症の循環管理

例えば、肺塞栓でショックバイタルになった際に、

医師
医師

とりあえず、メイン全開、下肢挙上!

A子ちゃん
A子ちゃん

ほんとにいいの…?

肺塞栓は右室に負荷がめちゃくちゃかかってる状態でなんとか循環動態を維持している状況ですので、補液で悪化するかもしれないため慎重に投与が必要です。

A子ちゃん
A子ちゃん

現状ショックバイタル…補液をしたくない…どういしたらいいのよ。

カテコラミンの使用を考えます。

肺塞栓はこのカテコラミンを使用しましょうというのは特に決まっていません。使い慣れたものを使いましょう。敗血症は心機能が落ちているので心収縮力を上げるために強心薬(ドブタミン)を使用することもあります。昇圧薬、強心薬は心筋の酸素需要が増えるので、注意が必要になります。

抗凝固療法、血栓溶解療法について

血栓溶解療法はMassive PEの場合だけ行います。逆に言えば救急外来で血栓溶解療法をしてたらとても重症であるということがわかります。

Submassive PEの場合は抗凝固療法を行います。ヘパリンなどですね。ICUでヘパリン投与中に循環動態が崩れたり酸素化が悪化するとどんどん状態が悪化していきますので、血栓溶解療法を開始する場合もあります。異常の早期発見がとても大切になっていきます。

緊急時の対応:看護師の視点から肺塞栓症患者の適切なケア

A子ちゃん
A子ちゃん

看護はどうしたらいいの?こんな重症の患者さん看護するのなんだか怖いよ。

兎にも角にも患者さんの異常の早期発見をすることが大切です。悪くなるときはどんどん悪くなるので、呼吸状態、循環動態、胸部症状、ABGの異常なんでもいいので異常や悪化が見られたら細やかな医師への相談や報告が必要です。

抗凝固療法や血栓溶解療法は出血傾向にもなりますので、出血の有無や意識レベルの低下など全身状態を観察していくことも重要になります。

さらに、全身の酸素供給を抑えるため、安静が必要になりますので、患者さんの安静に伴う苦痛や今後の不安などの様々なストレスが書かている状態になります。患者さんの目線にたちストレス緩和に努めていくことも大切です。必要時に鎮痛薬や鎮静薬の使用も考慮していきます。

確実な酸素投与も同時に行っていくことが大切です。

まとめ

今回は肺塞栓について説明していきました。

肺塞栓は肺動脈に血栓ができる

急性右心不全になり前負荷が低下

右心拡大、前負荷低下により、左室が送り出す血液量が激減する

拡張期血圧の低下、肺でのガス交換障害が起きているため、心筋酸素供給減少。

よって、血圧の維持が難しくなってくる。身体の細胞の酸素の量も減少していく。

人工呼吸器管理は、肺の過膨張に注意。

患者に寄り添った看護を心がける、循環動態を見ながら鎮痛、鎮静薬を投与も考慮

私が参考にしている本を載せておきます。

それと肺塞栓について私が勉強した本も載せておきますね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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かんご
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看護師です。病棟勤務→外来勤務→ICU勤務で働いています。勉強嫌いですが、心電図検定、呼吸療法認定士、FCCSなどの資格を待ってます。その経験を生かして、看護学生さんや私たち看護師の勉強や仕事を楽しくできるようなブログを目指しています。看護師国家試験や資格、仕事を中心に書いています。
少し趣味や雑談もすることがありますが、よろしくお願います!

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