急変発見時の初期対応:ABCDEアプローチのD 中枢神経評価

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かんご
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急変時にどれだけ迅速に対応できるかは、患者の生命に直結する重要な要素です。けどなかなか難しいですよね。脳外病棟にいれればいいけど普段から使っているわけではないと忘れちゃいます\(^o^)/

今回は急変発見時の初期対応:ABCDEアプローチのD 中枢神経評価について説明していきます!

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急性期ケア専門士について

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意識レベルの評価方法

意識レベルの評価には、JCS (Japan Coma Scale) と GCS (Glasgow Coma Scale) が使用されます。

JCS (Japan Coma Scale)

  • JCSは、日本で広く使用される意識レベルの評価方法で、患者の反応を観察して0から300までの数値で表します。JCSは3つの主要カテゴリに分かれ、さらに細かく9段階に分類されます。
  • Ⅰ桁 (覚醒している状態):
    • 0: 意識清明
    • 1: 見当識は保たれているが意識清明ではない
    • 2: 見当識障害がある
    • 3: 自分の名前・生年月日が言えない
  • Ⅱ桁 (刺激に応じて一時的に覚醒する状態):
    • 10: 普通の呼びかけで開眼する
    • 20: 大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する
    • 30: 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する
  • Ⅲ桁 (刺激しても覚醒しない状態):
    • 100: 痛みに対して払いのけるなどの動作をする
    • 200: 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする
    • 300: 痛み刺激に対し全く反応しない

GCS (Glasgow Coma Scale)

  • GCSは、国際的に使用される評価方法で、3つの要素で意識レベルを評価します。
    • 眼開け反応 (Eye opening response):
    • 4点: 自発的に開ける
    • 3点: 呼びかけで開ける
    • 2点: 痛み刺激で開ける
    • 1点: 開けない
    • 言語反応 (Verbal response):
    • 5点: 時・場所・人を理解している
    • 4点: 混乱した会話
    • 3点: 意味のない言葉
    • 2点: 意味のない音声
    • 1点: 反応なし
    • 運動反応 (Motor response):
    • 6点: 指示に従う
    • 5点: 痛みを局所化する
    • 4点: 痛みに引っ込む
    • 3点: 異常屈曲(除皮質姿勢)
    • 2点: 異常伸展(除脳姿勢)
    • 1点: 反応なし

麻痺症状の観察ポイント

麻痺症状の観察には、CPSS (Cincinnati Prehospital Stroke Scale) を使用します。このスケールでは、顔面の非対称、片腕の上げ下げ、言語の異常の3点を観察します。

  • 顔面の非対称: 笑顔を作らせて、片側の顔面が下がっていないかを確認します。
  • 片腕の上げ下げ: 目を閉じて両腕を前に出させ、一方の腕が下がっていないかを確認します。
  • 言語の異常: 簡単な文章を話させ、言葉の不明瞭さや発音の異常を確認します。

血糖値の評価とその重要性

血糖値の低下(低血糖)は、意識レベルの低下や神経症状を引き起こす可能性があります。緊急時には血糖値の測定が重要です。低血糖が疑われる場合、迅速な治療が必要です。

  • 低血糖の症状: 冷汗、震え、混乱、意識喪失。
  • 対応方法: 速やかに糖分を補給し、必要に応じて医療機関への搬送を行います。

脳ヘルニア徴候を疑う所見

脳ヘルニアの徴候は早期発見が重要です。以下の所見が見られた場合、速やかに対応してください。

  • GCS 8点以下(JCS 30点以上)
  • 瞳孔不同: 片側の瞳孔が異常に拡大している。
  • 片麻痺: 片側の体が動かなくなる。
  • クッシング徴候: 高血圧を伴う徐脈が見られる。

対応の注意点

ABCDの安定化のためには、以下の対応が必要です:

  • モニター: 継続的に患者の状態を監視します。
  • 酸素: 必要に応じて酸素を供給します。
  • 輸液ラインの確保: 輸液や薬剤の投与が迅速に行えるようにします。

※ABCDが不安定になると、低酸素血症による脳循環の悪化により二次的脳損傷を来す可能性があります。

まとめ

急変時の初期対応において、中枢神経評価は非常に重要です。JCSやGCSを使用して意識レベルを評価し、CPSSで麻痺症状を観察します。また、血糖値の評価と脳ヘルニアの徴候を見逃さないようにしましょう。迅速かつ適切な対応が、患者の生命を守るために不可欠です。


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ふかブロ

看護師です。病棟勤務→外来勤務→ICU勤務で働いています。勉強嫌いですが、心電図検定、呼吸療法認定士、FCCSなどの資格を待ってます。その経験を生かして、看護学生さんや私たち看護師の勉強や仕事を楽しくできるようなブログを目指しています。看護師国家試験や資格、仕事を中心に書いています。
少し趣味や雑談もすることがありますが、よろしくお願います!

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