輸血は患者さんの命を救う大切な医療行為ですが、一つのミスが重大な事故につながるリスクもあります。
新人看護師さんにとって「輸血チェックリスト」を理解し、確実に実践することはとても重要です。
この記事では、輸血前から終了後までの安全チェックリストと、よくあるミスと防止策をわかりやすくまとめます。
輸血前に確認すべき項目
輸血が始まる前に、必ず以下をチェックしましょう。
- ✅ 患者確認(氏名、生年月日、病室番号)
- ✅ 血液型・交差適合試験の結果を確認
- ✅ 血液製剤の種類(赤血球・血小板・FFPなど)
- ✅ 製剤の単位数・使用期限・保管状態(適正温度かどうか)
👉 「患者確認」と「製剤確認」は輸血事故防止の最重要ポイントです。
輸血開始直前のチェック
輸血をつなぐ直前にもう一度、安全確認を行います。
- ✅ 看護師2名によるダブルチェック
- ✅ 患者リストバンドと製剤ラベルの照合
- ✅ 輸血ルートの確保(専用フィルター使用)
- ✅ 投与速度・開始予定時刻を確認
輸血中のチェックポイント
輸血中は副作用の早期発見が最優先です。特に開始後15分以内は要注意。
- ✅ バイタルサイン(BP、HR、SpO₂、体温)を測定
- ✅ 患者の訴え(かゆみ、悪寒、胸痛、呼吸苦)を確認
- ✅ 投与速度を再確認
- ✅ 製剤名・ロット番号を記録
輸血終了後のチェック
輸血が終わったら「終了処理」までしっかり行いましょう。
- ✅ 輸血終了時刻を記録
- ✅ 投与量・残量を確認(残量は規定通り廃棄)
- ✅ 終了時のバイタル測定
- ✅ 患者の状態を観察し、副作用がないか確認
よくあるミスと防止策
❌ 患者確認ミス
- 防止策:リストバンドを声に出してダブルチェック
❌ 製剤の取り違え
- 防止策:血液製剤のラベルを声に出して2人で確認
❌ 輸血速度ミス
- 防止策:輸血開始前に医師の指示とポンプ設定を再確認
まとめ
輸血は「準備・観察・記録・終了処理」まで一つの流れとして安全管理することが大切です。
- 輸血前:患者確認・製剤確認は絶対
- 開始直前:ダブルチェックとルート準備
- 輸血中:最初の15分は特に注意して観察
- 終了後:記録と残量確認まで徹底
✅ チェックリストを活用することで、ヒューマンエラーを防ぎ、安全な輸血管理につながります。
💡 新人ナースへのワンポイント
「いつ」「誰と」「何を確認したか」を意識して声に出しながらダブルチェックすると、安心感も増し、ミス防止にも効果的です。